
法話2009年1月 安洞院短信1月号掲載
梅 早春を開く
新年明けましておめでとうございます。
みなさまにはご家族おそろいで新春をお迎えのことと、心よりお喜び申し上げます。
今年こそ世界が平和で、世の中が穏やかになり、一人一人が希望の持てる年にしたいものです。
皆様方のご家庭の益々のご繁栄とご健勝を心よりご祈念申し上げます。
――――――――――――――――
雪降る境内の梅の古木がすでに春を告げています。目を近づけるともう蕾を膨らませています。風や雪に耐えての数ヶ月に及ぶ蕾の営みに胸が打たれます。やがて春に先駆けて花を開き、奥ゆかしい香りを漂わせてくれます。
蕾に関心を持たない人にとっては、梅の花は清楚な姿と香りだけしか印象に残りません。
ちょうどそれは、年老いたおばあちゃんが永い人生の中で様々な悲しみを乗り越えてこられた優しさ、暖かさにふと接したときの思いに似てはいないでしょうか。
子供に先立たれ、夫を見送り、様々な悲しみの中にあっても、何事もなかったように、毎日毎日、毎年毎年同じ暮らしを続けているおばあちゃんの姿に梅の花の営みを重ね合わせます。
そして、梅花は寒の中に開きます。ですから、雪に見舞われることもあります。
古人はその姿を見て
「雪中の梅花 早春を開く」と詠みました。春が来たから自然と咲くのではなく、梅が早春を開いてくると見たのでしょう。死期が来たから死ぬのでなく、充実した生の果てに死を捉えたいものです。
人人是道器 日日是好日
仏教では人は生まれに関係なく誰でもがありがたい生き方をできる器を持っており、日は仏滅、三隣亡などに左右されることなく、今をおいて他はなく、今日こそが最好の日と説きます。
梅花に習い、地に着いた確かな気持ちでこの一年を過ごしたいものですね。
住職 合掌

![PC270425[2].jpg](../../_src/sc818/PC2704255B25D.jpg)
次の月へ
前の月へ