法話12月

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法話2008年12月  安洞院短信12月号掲載

崩壊と共生

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去る11月14日より東京において開催された第24回世界仏教徒会議に福島県代表として参加しました。世界26カ国から500人を超える僧侶が一堂に会し、冒頭に取り上げられたテーマはグローバリゼーション(国際化)による地域崩壊と固有文化の消滅という今日的問題でした。国際化に伴い歯止めのかからなくなった資本主義が今様々な問題を引き起こしています。

私たちの生活に暗い影を落とし始めている国際金融危機や資源高騰などもその表れです。わが国においても中央資本や外国資本が地方都市に進出し、駅前の看板はいずこも同じ風景に様変わりしてしまいました。

地場の商店街は衰退の一途をたどり、地方の企業も苦戦を強いられております。働く場所が少なくなり、若者はふるさとに帰ってくることができません。他方都会では1000万人に達するといわれる派遣労働者が身分の不安定さにおののいています。

基幹産業であった地域農業が消滅し、荒れ果てた農地が広がり、高齢化が進むと同時に限界集落はやがて崩壊していきます。毎年3万人を越える自殺者、振り込め詐欺の続出、若者の大麻汚染、理解に苦しむ殺人事件、変質的な性犯罪事件等等。人間の崩壊を感じさせるこうした危機的状況は、社会の崩壊と直結しています。そう捉えることが大事だと思います。

しかし、こうした問題に今、行政も政治も無力化し、なすすべもなく迷走するばかりです。
なぜならそれは国民一人一人の意識変革無しには実現不可能だからです。

嘘をついても、ごまかしてもいい、金が欲しいという心はどこから出てくるのでしょうか。今、教育のあり方が問われています。食料の自給率向上についても、国民の一人一人が地産地消の大切さを考え、生産者と消費者がお互いに理解し合い、地域にあったシステムを築いて行くことがカギとなります。

混迷する現代だからこそ、未来に向かって永続可能な、若者たちが希望の持てる社会を創るために、私たち一人一人がそれぞれの立場で何ができるかを真剣に考え、行動することが求められています。

連日報道されるさまざまな事件に慣らされずに、なぜこうなるんだろうという新鮮な心を持ちたいものです。

買い物をするときも身の回りの商店を大事にしよう。地産地消をいうなら地元の作物を意識して食べよう。
身の回りの環境や人々を大切にすることが、実は自分や子供たちがふるさとに生き残れるただひとつの選択肢なのですから。

勝ち負けの思想を超えて、今求められているのは「共に生きる」という思想だと思います。

住職 合掌

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