
法話2008年3月 安洞院短信3月号掲載
原点
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今年から、ゆとり教育が後退し、学力重視を図るためにカリキュラムが大幅に変更されることになりました。親も子供も先生方も戸惑いを感じていますが、教育の原点はどこに在るのでしょうか。
今、子供達の心の空洞化が進んでいます。活きる目標が見出せない若者も増え続けています。教育の原点は全ての人たちに生きることの意味を理解させ、それぞれが充実した人生を実現できるようにすることにあります。そのためには、家庭教育とくに家事の手伝いは欠かせません。家事の手伝いから家族に対する思いやりの心が育くまれてきます。そして、その思いやる心が恋愛にも結婚にもそして家庭生活、夫婦間にも大事になってくることは論を待ちません。
教育の原点はまず人間性を創ることにあります。それはどんな時代にでも共通して言えることであり、家庭が責任を持たなければなりません。その一方で、今の時代に生きてゆくために必要な様々な知識の伝授は学校教育において行われます。
高層建築物が地震に耐えられるのは、目には見えないしっかりした基礎のおかげです。その基礎にあたるものが確かな人間性であり、聳え立つようなビルの偉容が知識と努力の集積にあたります。
本当に次世代の人たちが幸せに生きていけるために、今なにが必要なのかという、教育の原点を真剣に再考してみたいものです。
次に地球環境について考えてみましょう。温暖化による地球の危機が叫ばれています。中国人、インド人の十数億の人たちが、もし日本人と同じエネルギーを消費すれば地球はひとたまりもありません。しかし中国もインドも日本に追いつくべく国を挙げて努力しています。私たちは開発途上国の環境破壊を論ずる前に、まず自分たちの文明と生活様式を考え直さなければなりません。
異常気象や動植物の絶滅などの危機的状況を起こしながら、地球は人類に警告を発し続けています。何気なく暮らしている生活を今一度見直し、快適さと利便性の裏に潜むエネルギーの過大消費を改める必要があります。地球にも寿命はありましょうが、せめてそれまでの間、人類はおごりを棄て、地球によって生かされているという自覚と感謝の心を忘れてはいけません。「人の尺度から地球の尺度へ」仏教にも通じるこのテーマこそが環境保全の原点だと思います。
住職合掌
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