法話2010年2月

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法話2010年2月  安洞院短信2月号掲載

涅槃会によせて

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2月15日はお釈迦様がお亡くなりになられたご命日、お涅槃会です。

80歳を迎えられたお釈迦様は自分の最後を悟られ、生まれ故郷・ネパールを目指して旅に出ます。旅に同行したのは愛弟子アーナンダただ一人でした。人は老いるとふるさとや昔の友達が恋しくなるといわれますが、お釈迦様も同じ思いだったのでしょう。しかし、お釈迦様は生まれ故郷に着く前に、病となりクシナガラでお亡くなりになってしまいます。

死期の近いことを予感されたお釈迦様は最後の説法をいたします。
これが現代に伝えられている有名な「自灯明 法灯明」の教えであります。

悩み、苦しみに満ちた世の中は、月明かりのない闇夜にたとえられますが、そうした世間を生きてゆくとき、私たちは何を拠り所とすべきなのでしょうか。

お釈迦様は説かれます。

「どのような状況にあっても、自分自身を灯とし、よりどころとし、決して他のものをよりどころとしてはいけない。更に私の説かれた法(真理)を拠り所として、他のものを拠り処としてはいけない。」
「自己によれ 法によれ」という教えでした。

様々な困難に直面したとき、他人の意見を聞くことはもちろん大事なことですが、最終的な判断を下すのは自分自身です。そして、判断を下すとき、注意しなければいけないことは、自分の思惑や勝手な都合によって決めてはいけないということです。

私たちの行動や判断は常に道理にかなうものでなければなりません。この道理を法といいます。自己によるということは、同時に法によることにならなければいけません。この自己について、お釈迦様はさらに説かれています。

「もしあなたが自分をかけがえのないものだと思うのなら、自己を守りなさい。」

「先ず自分を正しくととのえなさい。そして、他人を導きなさい。そうすれば、賢明な人は煩わされて、悩むことはないでしょう。」

「他人に教えたとおりに、自分も行じていきなさい。自分をよくととのえた人こそ他人をととのえることができるのです。しかし、自分を制していくということは実に難しいものです。」

「自分を良くととのえたとき、あなたは本来の自己に目覚めていくでしょう。」

「本来の自己」を道元禅師は「仏」と呼びました。
生きながら仏になる。
仏教が世界の宗教の中で自覚の宗教と言われる所以です。

(出典 中村元訳・「真理の言葉」)
住 職

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