法話2009年9月

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法話2009年9月  安洞院短信9月号掲載

お彼岸

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「おひがん」
なんと心地のよい、響きのいい言葉でしょう。
暑さ寒さも彼岸までと言われるとおり、夏の厳しい暑さも、冬の耐え難い寒さも、彼岸の頃からしのぎやすくなってきます。

間もなく秋のお彼岸を迎えます。お彼岸は日本独自の仏教行事です。平安の昔より始められたというこの行事は、太陽信仰が基になったといわれております。仏教伝来以前から太陽のことをお天道様と称し、朝日を拝み、元日には初日の出を拝む習慣は今でも続いています。これは農耕民族であった古来の人たちが、太陽の計り知れない恩恵に感謝して、独特の太陽信仰が形成されてきたことによるものです。

そして春分・秋分の両彼岸の中日は、太陽が真東から昇り、真西に沈み、昼と夜の時間が同じになります。

そこで古来からの太陽信仰と仏教で説く中道の教えが一つになり、また、真西に沈む太陽を拝むことで、当時の人たちの心が西方極楽浄土を拝むことに通じるようになっていったといわれています。

どうでしょう。皆さんも秋の彼岸の中日に西へ沈んでゆく真っ赤な太陽を拝んでみませんか。祈るという心を忘れつつある現代にとって、お彼岸は亡くなられた方々を偲び、生きている自分を振り返るまたとない機会になると思います。

春彼岸、いよいよ種まきが始まる前に祈りを込めて1週間、秋彼岸、収穫が始まる前に感謝を込めて1週間修養します。そこに六つの徳目が示されています。

一日目 布施(ふせ)
 物でも心でも惜しまずに与えよう

二日目 持戒(じかい)
 仏教徒としての戒律を守ろう

三日目 忍辱(にんにく)
 様々な困難に耐え忍んでゆこう

四日目 中日 先祖の恩に感謝しよう

五日目 精進(しょうじん)
 努力怠ることなく、前に進もう

六日目 禅定(ぜんじょう)
 静かな心を持とう

七日目 智慧(ちえ)
 損得ではなく、真偽によって判断しよう

中日をお休みとして、先祖のために供養を行い、お墓参りもします。天の恵みと先祖の恩に感謝し、それに恥じない人間でありたいと願って生きてきた先人たちの智慧と精神に敬意を表したいと思います。

現代人にとっても、春の彼岸は新年度直前であり、新たな決意を持って新年度に望み、秋の彼岸は年度の半ばとして反省の意を込めて、六つの徳目を見直してはいかがでしょうか。

住職

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