曹洞宗とは
日本には様々な仏教が大陸より伝えられましたが、鎌倉時代に伝えられた曹洞宗(そうとうしゅう)と臨済宗(りんざいしゅう)、江戸時代に伝えられた黄檗宗(おうばくしゅう)を合わせたものが「禅宗」という分類で呼ばれています。それは修行の中心が坐禅であることを意味しています。
曹洞宗は道元禅師により日本に伝えられました。比叡山で出家した道元禅師は師を求め諸国を訪ね歩きましたが、ついに正伝の仏法を求めて海を渡り中国・宋の地を目指すことになります。5年間の修行の末、天童山の如浄禅師より仏法を受け継ぎ、禅師28歳の時に日本に戻られました。京都深草の地に興聖寺を開山、後に福井の山深い場所に永平寺を開かれました。
後に下ること三代、瑩山(けいざん)禅師の代になると曹洞宗の教線は一気に拡大してゆきます。大本山總持寺(当時は能登半島にありました)を開かれた瑩山禅師と二祖峨山禅師、優秀な5人の弟子である五哲、さらに二十五哲とよばれる弟子たちの功績により現在の曹洞宗教団1万5千寺の礎が固められたといわれています。
能登の大本山總持寺は火災で全焼し、およそ百年前に横浜の地に移転しましたが、能登の伽藍も地域の人々の願いにより再興され、祖廟・大本山總持寺祖院として現在も修行僧たちが古風を慕い修行に励んでいます。
曹洞宗では、釈迦牟尼仏(お釈迦様)をご本尊とし、道元禅師、瑩山禅師を両祖と仰ぎ、一仏両祖として礼拝します。
福井県・大本山永平寺
神奈川県・大本山總持寺